レガシーキャリアの航空券に付与されるLCCにはない様々な特典


前回に続き、引き続き海外航空券について書かせて頂きます。これまにも述べて来たように、海外航空券とは非常に複雑な仕組みになっております。一般の旅行者がその仕組みをどこまで理解する必要があるかというところは微妙なところではありますが、やはり知っていて得なことがあるのも事実です。

まずは、いくつかの航空運賃(航空券の種類)について前回のおさらいをしておきます。

現代版・航空運賃(航空券)の種類

種類 概要 メリット デメリット
1.標準(ノーマル)運賃  航空会社設定の最も標準的な運賃 融通効く ものすごく高い
2.PEX(正規割引)運賃 航空会社主導のセール料金 結構安い 少々制約有り
3.旅行会社用運賃(格安航空券) 旅行会社から販売されるセール料金 結構安い 色々制約有り
4.旅行会社用裏技運賃 団体ツアー用や、事前買取、チャーター便など色々裏で動いている結果安い運賃 大分安い 制約多し
5. LCC運賃 LCCが直販する際の運賃 結構安い 制約かなり多し

※3.4に関しては、業界用語ではなく僕の方で勝手に名付けています。

詳しくは前回の記事をご参照ください。

【業界人による徹底解説】格安航空券とは?航空券検索とは?航空券手配を制する者が旅のDIY・海外自由旅行を制す

この各々の運賃種別については、正直旅行者が意識して覚えるようなことは全く無いのですが、結果的に付与される航空券の特典の有無について確認をしておくことが大事かもしれません。

その中でも、今回はLCCにはなく、*レガシーキャリアと呼ばれる航空会社の航空券に付与される様々な特典について、ご紹介させて頂きます。この特典を知っていると航空券を探す際の一つの決め手になるかもしれません。

*レガシーキャリア|フルサービスエアラインとか大手航空会社とかフラッグキャリアとか色々呼び方ありますがここでは、レガシーキャリアで統一しておきます。

この特典は、航空会社並びに、その航空券の運賃種別(PEX運賃なのか、格安航空券なのか)によって随分と内容も制約も異なってきますのでその都度ご確認ください

レガシーキャリアの航空券に付与される様々な特典

1.航空マイレージ

言わずもながら、マイレージ制度のことです。LCCの場合、ポイント制度などで多少蓄積される航空会社もありますが、このレガシーキャリアで付与されるマイレージ制度とは似て非なるものです。

多くのレガシーキャリアは世界3大アライアンスグループ(JALが加入しているワンワールド系/ANAが加入しているスターアライアンス系/デルタ航空などが加入しているスカイチーム系など)のいずれかに属しています。

同じアライアンスチーム内であれば、例えば1枚のマイレージカードに同アライアンス系列の航空会社のマイレージを蓄積することも原則可能です。また、各社クレジットカードとの結び付きも強く、各種ポイント系への交換制度なども充実しています。このマイレージに関しては、マイレージのプロが現れるほど航空会社の一つの文化となっています。ここで触れ出すとキリがないので、興味のある方はググってみてください(笑)

2.オープンジョー(現地周遊)が可能

これは、現地の着空港と発空港が違うルートなどを計画しているときなどに、非常に役立ちます。通常航空券というのは、行き帰りの往復が同じ都市というのが基本であるという認識かと思いますが、こういった特典が付いている航空券は多いです。

特に、ヨーロパを周遊するときなどには非常に便利なことがあります。下記のルーティングなども可能です。

(例)日本 →(飛行機)→ パリ ===(電車・バス・LCCで移動)====マドリッド → 日本

現地での移動を例えば、公共交通機関や、現地のLCC(ヨーロパには片道2,000円などのLCCがざらにあります。)で移動することで様々なルーティングを可能とします。

3.ストップオーバー(乗り継ぎ地での観光)が可能

これも例えばヨーロッパになりますが、各都市へ渡航する際、ヨーロッパ系あるいは日系航空会社よりも、アジアや中東を経由する航空券の方が安いことが多くあります。そういった際の乗継ぎ地で例えば、1泊・2泊して乗り継ぎの観光地も楽しもうというような旅程を組むことができます。

・ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)・・・イスタンブール

・エミレーツ航空・・・ドバイ

・キャセイパシフィック・・・香港 などなど

4.国内(日本)線の割引制度

関東圏在住の方は、あまり意識することがないかもしれませんが、大阪も含め地方空港から成田/羽田を経由して海外へ行く際に余計に費用として載っかかってくるのが、この国内線の費用です。この割引制度が、JALやANAなどのレガシーキャリアには存在します。LCCの地方発着も増えてきましたが、まだまだ日本の玄関といえば、東京・大阪(特に東京)に集中しています。

5.キャンセル・変更規定

これは特典というよりも、基本的に備わっているものです。航空会社・航空チケットによって制約が異なりますが、基本的にキャンセルがまったくできないというチケットは少数派です。最悪、いくぶんかの手数料を差し引いた金額が返ってきます。ところが、LCCの場合は、グレードアップなどをして保険を掛けた場合を除き、基本的には購入した時点で100%のキャンセル料が発生し、キャンセルをした際には、返金が一切されないケースがほとんどです。

充実した特典・サービス・ホスピタリティと何かのときの安心感を期待する人はレガシーキャリアがおすすめ

上記の特典の他にも、機内サービスや、緊急時の対応、空港やターミナルロケーションという面でみても、やはりレガシーキャリアにはレガシーキャリアの良さというのが様々な場面で見受けられます。

ただ、もちろんLCCには航空運賃の安さを筆頭に、LCCの得意な領域というのが存在しますので、ここもやはり結論としては、「旅の目的」が重要になってくるのではないでしょうか。

特に、今回ご紹介したオープンジョーやストップオーバーの制度は、ヨーロッパ行きの旅の時に役立つことが多くあります。また、1ヶ月間周遊したいなどのときも、日本発着の飛行機だけ予め押さえて現地は別手配で移動なんてことも良くありますので、是非参考にしてみてください。

この記事が気に入ったらシェア

LINEで送る
Pocket